FC2ブログ

屋根屋家業の屋根裏部屋、おかげさまで16年続けてます。

屋根屋の屋根屋 長尺(仮)が綴る日記です。

110718 雨仕舞いと意匠を両立する、屋根の実践テク。話題作の設計者が徹底解説・・・・

金属屋根材施工を40数年間経験して、様々な経歴を持っております。
このたび、日経BP社より出稿依頼を受けて、掲載されるようになりました。
著名な建築家と共に、小生の屋根に対する思いを一読していただければ幸甚です。


「雨仕舞いと意匠を両立する、屋根の実践テク
話題作の設計者が徹底解説・・・・・
気になる軒・庇の納まりを一堂に・・・・」

P・086「太陽光発電、トラブル回避のツボ」にて、屋根メーカーとして40年にわたって屋根工法の開発に取り組んできた。
安藤忠雄氏や伊東豊雄氏をはじめ、著名建築家のプロジェクトを担当する機会も多い。
最近では緑化屋根工法のほか、太陽光発電パネルを組み込んだシステムもてがける。
太陽光発電に関する開発を振り返ってもらい、トラブル回避の要点を挙げてもらった。」

2011_06_26#12848;


2011_06_26#12842;nikke07702


2011_06_26#12843;nik7703



太陽光発電屋根・壁をはじめて見たのは、平成7年ごろである。
太陽光発電先進国ドイツの市街地、信号待ちしている時に、見たことのない建材を使用した建物であると興味を抱いた。
交差点角に作られた建物の屋根と壁が太陽光発電池にて覆われていたのに驚き、そうそうに車を駐車してしみじみと眺めた。
この当時から、リサイクルに向けての活動が盛んに行われていた国である。
たとえば、ワインボトルを単にガラスとしての処理ではなく、ボトルの色(茶・緑・青・透明)によっての分別まで行われていたのであるから、この国の環境に対する意識はいずれ日本にやってくるのではと思い、金属屋根メーカーとしてさまざまな方法にて太陽光発電池を取り付ける工法を考案した。
このさまざまなアイデアを業界紙に取り上げていただいて、その記事を読んだある電機メーカーの方が来社されて、太陽光発電池をいかに屋根材に穴を空けずに固定する「屋根に穴を空けない常識」を提案させていただいた。

金属屋根材は、様々なハゼ組構造によって構成される、このハゼ組を利用してこの部分に特殊な金具を取り付けて、決められた寸法に太陽光発電池架台をセットして太陽光発電地を屋根面に穴を空けずに固定するシステム工法が完成された。
当時は、一般住宅への設置条件として3kwのシステムを載せることが補助金の対象であった。
しかし、補助金を受けても、太陽光発電池を取り付けた費用の元を取り戻すには、20年近くになる試算であった。
せっかく大金を捻出しても元が取れないうちに効力がなくなってしまっては、たんなる自己満足か、地球環境保全の熱意だけで終わってしまう。
そのために、太陽光発電池を取り付ける基盤の屋根材は、特殊塗装を施した高耐候性化粧鋼板をベースに、損賠賠償保険会社と連携して20年間の保証をつけての販売を始めた。
北は青森県から南は鹿児島県にいたるまで全国に施工実績を誇るようになった。
これらの実績の建物は、2010年現在においてもノンクレームである。
その後、様々な企業が太陽光発電事業に参入してきて、太陽光発電ビジネスが開花され始めたと同時に、屋根面に太陽光発電池を取り付けて発電する、オール電化住宅を売り物にして市場が過熱していった。
屋根という雨露・風雪を守るといった機能を無視して、屋根面に穴を空け、その部分に防水材を挿入して固定する安易な施工方法を取り上げて商売をする業者が蔓延し始めている。しかし、製造物の欠陥によるクレームのひとつではないかという不祥事が多発している。
このクレームを誰が保証するという定義が確約されていないのが現状である。



太陽光発電池製造元の工法に、屋根面に穴を空けて施工する方法をひとつとしている。
「下地野地ではなく、垂木に十分なシール処理を施して固定のこと」十分なシールを・・・・
建築業界でシール材は、長年にわたってあらゆる部位に使用されているが、現場施工においてはすべて、目視できる状況下、前処理としてシール面の清掃・ごみの除去・湿気ふき取り・プライマー処理後にコーキング処理をすることが本来の施工方法である。
開けた穴の中を見ることができずに、ホコリまみれな、わずかな穴にコーキングガンというお粗末な器具を使用して挿入すること事態信じられない施工法である。
屋根面に穴を空けるリスクは、取り付けられたこの発電池が風・地震・振動・寒暖など物理的外力によって動き、屋根面に開けられた固定部分に緩みが発生して、経年変化によって開けられた穴が大きくなり、防水材の劣化が同時進行して漏水というクレームが社会問題として取り上げられるようになってきた。
さらに、漏水の発見をすることができなかった場合は、ジワジワと浸み込んだ水が木材など下地材を腐食させて、ビス・ボルトの保持力を低下させ強風にあおられて、太陽光発電池が飛来落下する事態も予想される。
屋根から漏水が発生した場合、屋根面・室内・天井裏などの調査をすることからはじめ、漏水と思われる箇所を検証する、しかし、屋根に新たな構築物を取り付けた場合はこの検証が難しいばかりか、設置したこの発電池パネルを取り外して修理・修復をしなければならない、施工するよりも余分な労力と経費を負担しなければならない。
この負担をだれがするかである、メーカーか施工業者かその間に入った建設会社か責任のなすり合いである。
そのために、この発電池関連企業運営の監督・監査の必要性が認識されるようになってきた。
社会の信用を失えば、大きな損失になると各企業が認識するようになり、リスクマネジメントへの取り組みが始まりつつある。
太陽光発電池を屋根面に固定することは、台風・地震といった自然災害や地球環境破壊・汚染など私たちの日常生活を取り巻くリスクは数え切れないほど存在する。
この発電池の寿命は、20年あるといわれております。
最近は酸性雨やゲリラ豪雨など太陽光発電池を屋根面に取り付ける環境が変化してきていることもあり、太陽光発電池の設置に対するリスクマネッジメント重要性は増してきている。
では、太陽光発電池を屋根面に取り付ける、安全性を確保して、安心して自然の恵みを受けながら暮らすためにはどうしたらよいでしょうか。
たとえば、太陽光発電池を設置したために漏電・漏水・落下・飛来のどによる事故に巻き込まれたときに、自分の家に対するクレームであれば第三者に対して迷惑をかけることがありませんが、漏電による火災や飛来による第三者に対して自分が加害者になってしまったとき、損害賠償や刑事責任・損害保険などについての正しい知識があれば冷静に対処


でき、落ち着いて処置することができます。
つまり、基本的な考え方は、緊急事態が起こる前にリスクについて適切な情報を得て、備え、克服する方策を立てなければならない。

太陽光発電池を屋根に設置する場合のひとつとして、金属屋根材の結合ハゼを利用してシステム金具を固定、架台を取り付ける工法を推奨する。
通常使用される金属屋根材0.35mmよりはるかに板厚の厚い0.5mmの素材をベースにロール成型加工を行い、太陽光発電池パネルを強固に保持する構造になっている。
施工は、スナップフィット嵌合システムによって、ボルト・ビスが屋根面に露出しない方法にて取り付け、発電池固定の耐候・耐食・風圧・水密性の優れた基盤を構築する。
一般的などこの太陽光発電池メーカーの発電池を取り付ける方法は、発電池を強化ガラスとアルミフレームにて取り囲んで製作された、この発電池の割付にしたがって、基盤となる屋根材を葺く作業からはじめる。
さらに、ハゼ固定金具によって、アルミフレーム架台によって下地組固定構築する。
次工程として、この発電池パネルを結線しながら固定・取り付けることができる。
一般的な取り付け作業によってたくさんの施工事例をつくり上げている時に、この発電池メーカーの方から、電池とそれを固定するために周囲を囲んでいるアルミフレームを使用せずに、屋根面に取り付けることができる新たな屋根工法の開発依頼を受けた。


太陽電池を屋根に実装する技術は、主に2種類ある。あらかじめ施工された屋根の上に架台を組んで太陽電池を固定する「架台式工法」と、屋根材一体型太陽電池モジュールによる「一体型工法」である。
 前者は、様々な設置条件に対応でき、大面積の施工にも有利だが、屋根・防水工事が別途必要であり、部材数の多さ・施工難易度・材工コスト・耐風圧性能に難がある。
 後者は意匠的な一体感が魅力だが、建築デザインの制約は大きく、屋根材としてのマウンターを含めた面積あたりの材工コストも高い。また、モジュール一個の面積が小さいために、施工に時間がかかる。
数千棟におよぶ太陽光発電システム屋根の施工経験から、よりスピーディーで効率的な施工技術の必要性を感じていた。

弊社独自のワンタッチ嵌合式金属屋根材を、太陽電池モジュールの設置基盤とすることで、上記の在来工法よりも、はるかにシンプルかつ経済的に施工できる嵌合式ソーラー屋根工法を開発した。
 金属の曲げ剛性を利用した嵌合式ハゼ組構造により、長尺屋根材と太陽電池を嵌め込んで実装するだけで、屋根としての十分な防水性・構造安全性を備えた太陽光発電システムが完成する。
 同工法にとって無駄な部材や工程を徹底的に省くとともに(煩雑な固定金具、太陽電池のアルミフレーム、嵌合式屋根材に常用される吊子とハゼ締め工程、防水処理など)、基盤屋根材に設けられた空気断熱層で太陽電池モジュールの発電効率低下を軽減。面積あたりのコストパフォーマンスを最適化する。
これら二つの工法は、太陽光線によって電池面が暖められて裏面は60度C近い高温になり、単結晶・多結晶などの電池の一番よいとされる発電効率温度25度Cをはるかに超え、発電低下を余儀なくされているが、屋根材にて構築するハゼによって30mmの空気層を作り、裏面の高温化を防ぐ役割を果たすこともできる。

裏面に発生する熱気を、冬季は室内に取り入れて暖に使用し、夏季は空気の流れを利用した日陰効果を作り出す、呼吸する屋根システムにも利用できる。
さらに、発電池の技術改良が進化するにしたがって、金属屋根材にこの発電池をラミネート、屋根前面に電池を展開することで、ソーラー建築としての一体感、環境負荷の軽減(生産時CO2排出量削減・EPT短縮)軽量化による建築コスト全体の制御、同一定格では年間発電量が上回るなどのメリットが生まれる。
嵌合式タテハゼ工法は、スナップフィットして葺きあげ、瞬く間にソーラー屋根が出来上がる、屋根材・太陽光発電池・吊子一体型勘合ハゼ工法、極限までシンプルなPVルーフィングを可能にした。

無尽蔵に作り出す太陽光線のいいとこ取りで、地球環境保全を太陽光発電システムの加速的な普及拡大にて貢献できる技術と自負している。

高率的なこれらのシステムを、どのように魅力的な建築デザインにインストールして、新たな技術や素材を活用した次世代の空間つくりのあり方に取り組み、環境負荷の低減に貢献したい。


エピローグ開発ストーリー

EROOF プロジェクト営業部
ルーフコーディネーター
藤田 秀雄
スポンサーサイト



テーマ:建設会社の仕事 - ジャンル:ブログ

  1. 2011/07/18(月) 07:25:21|
  2. 工法・構法  こんな事してつくるのか??
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://yaneya.blog49.fc2.com/tb.php/1085-61866137
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)